人材派遣業界の今後

人材需要の高まりで人材派遣業は安泰?

人材派遣事業は昭和61年の労働者派遣法の施行以来、20年間にわたる成長期を経験し、平成18年に成熟期に突入。
リーマンショック以降は、売り上げ減で低迷が続きましたが市場は成熟し、平成27年現在では衰退期へと移行しつつあります。

厚生労働省の調査によると平成25年度における人材派遣事業の総売上高は5兆1,042億円で、前年度比2.7%下落しました。
とはいうものの、派遣労働者の平均時給は右肩上がり傾向を維持しており、リクルートジョブズが発表した調査では2015年4月の平均時給は、関東、東海、関西の三大都市圏ですべて上昇。
平均時給額は、1,594円でした。

景気の回復を背景に人材需要は高まっているものの、派遣スタッフの供給が追いつかないといった現状も伺えます。
テンプグループのテンプスタッフが運営する求人検索サイト・ジョブチェキ!でも求人数が加速しているのに対し、派遣登録者数の増加率は思うように伸びておらず、需要と供給のバランスが崩れていることがうかがえます。
このため人材派遣会社では業種ごとに必要となるIT、英語などの特定のスキルを向上させるためのサービスを提供することで、各社登録者数の確保に尽力しています。

経済成長が著しいアジアでの人材派遣

また、リクルートホールディングスでは海外での人材派遣事業に注力しており、2014年3月期の人材派遣事業の売上額6,124億円のうち海外での売上高が2,538億円となっています。

2014年3月期の大手人材派遣会社の売り上げトップはテンプホールディングスの3,624億円。
これはインテリジェンスを買収したためで、47%の増収となっています。
3位はパソナグループの2,086億円と好調です。

景気回復で明るい兆しが見える人材派遣業界ですが、大きな資本投資を必要とせず、取引先の拡大、登録派遣スタッフ数の増加などメリットが大きいため、買収や合併が多い分野でもあります。
国内外の企業の買収によって、現在の労働需給のバランスを整えるための再編が進む可能性が高くなっています。

東京オリンピック以降の雇用状況がカギ

現在は東京オリンピックの開催に向けた各種インフラ整備、都市再開発などのによる建築業界の人手不足、高齢化による介護分野での人手不足が深刻で、2020年の東京オリンピックまでは雇用需要の大幅な減少は少ないと見てよいでしょう。

しかしその後は、少子高齢化による労働人口の不足を補うために外国人労働者の受け入れなど、派遣業界にとっての課題は残っています。
雇用と深い関わりがある業界だけに、政策の変更によっても売り上げに大きな影響を受けるのはご承知のとおりです。
今後の政策の流れも含め、業界動向に目が離せません。