ユニクロの人事制度

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ユニクロが実施した地域限定の正社員とは?

ファスト・ファッションブランドとして知られるユニクロは2014年、国内で働くパート人員を2、3年以内に地域限定の正社員にする方針を発表しました。
ユニクロが実施した地域限定の正社員とはどのような人事制度なのでしょうか?
一般の正社員とどう違うのか、気になりますね。

仕事内容や勤務地が雇用契約で限定される「限定正社員」は、2013年、安倍政権が掲げるアベノミクスにおける、経済成長戦略の一つとして進められるようになりました。
地域限定正社員は、働く地域が限られている社員です。

一般的な会社の正社員は、会社の人事で全国の営業所で働くことになります。
このため転勤を繰り返す社員は、少なくありません。
今年まで北海道支社で働いていた人が、来年から沖縄支社に転勤になることもあります。
急な転勤や子どもの学校の関係で、単身赴任している人も大勢いますね。

しかし地域限定正社員として働けば、転勤はありません。
しかも雇用期間は定年までですから、短期間勤務のパートやアルバイト比べて生活が安定しますし、各種手当などの待遇面の向上も見込めます。
子育てや介護などで転勤が困難な人にとって、転勤がない地域限定の正社員はとても助かる制度として注目される制度です。

地域限定正社員のデメリットとは?

しかし、地域限定正社員は転勤がないというメリットだけではなく、デメリットもあります。
それは、会社の方針によって解雇される危険性が高いということです。

例えば、全国で店舗展開をしていても、ある地域の売り上げが悪くなり採算が採れなくなると、企業はその地域からの撤退を考えます。
このようなときに、ほかの地域で働けない地域限定正社員は、解雇される危険性が高いのです。

せっかく正社員として雇用され、これで安定した収入が期待できると喜んでいても、業績悪化などでその地域から撤退する可能性がある限り、決して安定した地位とはいえないのです。

しかし政府が限定正社員制度の普及に力を入れていることもあり、ユニクロ以外でもこの人事制度を採用している企業が増えています。
厚生労働省の調査によると、限定正社員制度を採り入れている企業は51.9%。
小売業を中心に、過半数がこの制度を採用するようになりました。
有名企業では日本郵便、スターバックスなどがこの限定正社員制度による雇用を行っています。

確かにたとえ地域限定であってもパート募集よりも、正社員のほうが雇用される側にとっては、はるかに魅力があります。
特にパートで働くケースが多い主婦にとって、正社員待遇で働けるのは助かります。

ただ、解雇のリスクもあることは覚悟しておく必要がありそうです。