人事に必要な資質とは

人事スタッフに求められるものとは?

武田信玄が「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」の名言を残している通り、組織にとって人は最も重要な資産です。
人を扱う人事には、どのような資質が求められているのでしょうか。

人事スタッフに必要な資質は人事に関する専門知識に加え、優れたコミュニケーション能力、適切な判断能力が挙げられます。

人事に関する専門知識

人事に関する専門知識としては実務、労働法規、労務に関する知識や、事務処理能力も求められます。
このため社会保険労務士や、衛生管理といた資格を取得している人も少なくありません。

企業のグローバル化が進み日本企業の海外進出や、外国人を雇用する機会が増えてきました。
このような状況では、日本の社会慣例が通用しませんから、法律関係などの実務はもちろんのこと、雇用に関する考え方も世界基準の認識をミニにつける必要があります。

コミュニケーション能力

人事は、人を相手にする業務です。
従業員は会社のために滅私奉公するロボットではありません。
感情を持つ人間です。
特に採用試験の合否の通知、人物評価の伝達など相手の自尊心に関わる結果を伝えるケースが多いので、コミュニケーションには細心の注意を払わなければ相手を必要以上に傷つけてしまいます。

相手の立場や気持ちを十分に忖度し、そのうえで情に流されずに人事業務を進めていくのはなかなか難しいことです。
しかし、人事のコミュニケーション能力が低ければ、社員のやる気の低下、自信喪失を招き、十分な成果を出せないという結果を招いてしまいます。
相手の心の動きをしっかりとフォローできるよう、十二分に心配りができるコミュニケーションを心がけることが大切です。

適切な判断能力

人事の仕事は、今日実行に移したことが、来週結果として現れるといったスピーディーな結果が出るものではあません。
人材育成はじっくりと時間をかけて行うべきものですし、人事制度がそれなりの効果をあげるのにはある程度の時間が必要です。

このような状況の中では、なかなか結果が出ないために適切な判断を下すのが難しいケースも多くなります。
どのような状況であっても、最善の行動が取れる冷静さが求められます。
人事の仕事は、会社経営と密接に関わっています。
人事は会社の経営方針に合わせた人材を集め、教育し、目標達成へと促します。

会社の経営方針に沿った人事制度や社内制度の採用する能力はもちろんのこと、現在自社が置かれている社会的な位置も客観的に判断できる能力が必要です。
業界内での影響力、日本企業の中での位置づけなど、グローバルな視野に立ってたうえで人事方針を決定し、現場では繊細なコミュニケーション力を発揮して、個々の従業員に対応する能力が求められます。

人事に求められるスキルは、総合的な人間力ともいえる能力です。
実務だけでなく、人格を磨く努力、社会情勢をつかんで自社の位置を把握する能力など、日々の勉強が欠かせません。