新卒採用の変化

新卒一括採用のデメリットを考える

人事部として採用活動をしていて、ここ最近特に違和感を感じるようになってきたのが新卒一括採用という形式です。
以前から言われていることですがこうした一括採用方式をとっているのは日本独特の方法であり、それが日本国内の人材育成に大きなデメリットをもたらしているといいます。

新卒一括採用という方式は70~80年代くらいから急激に一般化をしており、90年代に入る頃にはすっかり就職活動の主流となってしまいました。

新卒一括採用のメリットは、各企業が足並みを揃えて一緒に説明会を開催したりできることと、学生にとって周囲と一緒に活動をしていくわかりやすさがあるという点です。
もともと高校や大学への進学はほとんど全員が同じタイミングで行っているわけなので、それと感覚を同じまま就職もできるというのが意識的にうけいれやすいということもあるのかもしれません。

しかし一方でこうした一括採用ではそれぞれの学生に与えられたチャンスは実質一回きりであり「ここで失敗したら人生おしまい」というような不必要なプレッシャーを与えることになってしまいました。

同時期に何度も採用活動が開催されるので短期間に数十社を受けてそのほとんどに落ちたということを経験することにより、深い自信喪失をしてしまいその後の人生をうまく渡れなくなってしまう学生も少なからずいると聞きます。

確かに人事担当者にとって一括採用は余計な手間を掛けることなく一気に作業を集中して行えるというメリットのあるものですが、かといってそればかりに頼ることで社内の人材に偏りが出てしまっているという事実も見逃せません。

増える第二新卒と中途採用

ここ数年で急激に増えてきていると感じるのが、第二新卒や中途採用での採用です。
中でも第二新卒は企業人事として微調整以上に重要な位置づけになってきており、新卒採用の状況を見ながらどういった第二新卒の募集をかけるかということが戦略として求められてきています。

これは新卒で採用をされた学生のうち1年以内に辞めてしまう人の数が全体の2~3割にのぼるという非常に高い数字になっているということが関係しており、新卒採用時のミスマッチの修正も大きな課題です。

第二新卒の場合、新卒で希望の仕事に就くことができなかったという人や、もしくは採用はされたけれどもどうしてもその職場に合わせることができなかったという人が対象となります。
一概に決めつけるわけではありませんが、どちらかというとこの第二新卒の方が個性的なキャラクターを持った人が来てくれることも多く、新卒のメンバーではやや不足がちな人材を入れるために便利な方法となっています。

社会人歴数年のある中途採用も数が増えてきており、これは転職紹介サービスのようなマッチングを代行してくれる企業が登場してきたことが大きいのではないかと思われます。

新卒一括採用のメリットも考え自分にあった働き方を

と、まるで新卒一括採用を悪者であるかのように書いてしまいましたが、実際にはたくさんのメリットもあるということは理解しています。

現在不況のまっただ中にあるとされる日本ですが、それでも諸外国と比較して非常によい数字となっているのが失業率です。
欧州各国での完全失業率が20~50%と言われる中、日本における失業率は6%台と比べ物にならないくらいに低いのです。

これは新卒一括採用により学生を企業が一度に多く採用するシステムが取られているからという分析があり、大学卒業時に特別なスキルがなくても採用をされるというところに失業率を底上げする理由があるのだといいます。

メリット・デメリットがそれぞれあるのが新卒採用なので、人事としてはその良い部分を活かしつつ悪い部分を他の採用方法によって補うという柔軟性が必要なのでしょう。